春よこい♪
2016.02.25ブログ
こんにちは!岡です。
暦の上では立春も過ぎ、伊予路に春を呼ぶ椿まつりも終わったのに、
春は名のみの寒い日が続いています。
さかのぼること平安時代(天徳四年)のちょうど今頃、
村上天皇が主催する「天徳内裏歌合」の歌題が発表されました。
「天徳内裏歌合」は宮中で歌人を左右二組に分け、歌の優劣を競う
遊びです。これから一か月かけて双方の陣営は戦略を練り、
衣装や演出にも工夫をこらします。
さて、一か月後の三月三十日
想像してみましょう!北山、東山は春かすみ、うぐいすが鳴いて、
あたりは桃の花と桜の花の濃淡の桃色に染まり、柳の黄緑が加わって
パステルカラーの京の都。
清涼殿に今をときめく歌人が集まり、絢爛豪華に夜を徹して
歌合わせが続けられました。
なかでも 壬生只見と平兼盛 の対決は後の世までエピソードとして
語り継がれています。
それでは恋の歌を二選。
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思いそめしか
壬生只見
「恋をしている」という私の噂がもうたってしまった。
誰にも知られないようにひそかに思い始めたばかりなのに。
忍ぶれど 色に出にけり わが恋は ものや思ふと ひとの問ふまで
平兼盛
心に秘めてきたけれど 顔や表情に出てしまっていたようだ。
私の恋は「恋の思いごとでもしているのですか」と
人に尋ねられるほどになって
甲乙つけがたい。審査員は迷います。判定が出せないでいると、
村上天皇が小さく「忍ぶれど・・」と口の中でつぶやかれた。
壬生只見が命をかけて臨んだ決戦の勝敗はこれで決まったのです。
さて、一か月後は桜が咲いて、待ちに待った春到来です。
楽しみですね。